かかりつけ歯科医をもとう

これからの高齢社会において認知症を防ぎたい、もしくは認知症にかかっても健康を保ちたいと考える方に注目されているのが、「かかりつけ歯科医」でしょう。

とある調査によれば「かかりつけ歯科医がいない」と答えた人は「いる」と答えた人に比べて1.4倍も認知症発症リスクが高かったと聞いたこともあります。いまや80歳になっても、半数ほどの人達が20本以上の歯を残せるようになった時代です。

加齢とともに身体の免疫力が低下する中、歯肉炎の進行を防ぐ為にはかかりつけ歯科医によるプロのケアは欠かせないでしょう。総入歯になって歯科医のもとへ通わなくなるという人もいます。

ですが定期に調整してもらい続ける事が「噛める入歯」「噛める自然歯」を維持する為に必要なのです。厚生労働省では、年齢を重ねても住み慣れた地域にて安心し生活を続けられるよう、医療・介護サービス・地域の見守り・居場所作りのような枠を整えるような動きを進めています。

これを地域包括ケアシステムと言いますが、ここにかかりつけ歯科医を組み込んだほうがいいのではという意見もあります。認知症を早い内で見つけ、チームにてサポートできる認知症初期集中支援チームもあります。

このチームに地域の歯科医も加わる形で、早期から認知症の方の口腔ケアをサポートできる体制が整うのが理想だと言えるのではないでしょうか。65歳以上である高齢者7人に1人が認知症と言われる時代です。高齢者の増加ペースを考えると、専門医だけでなく一般の歯科医も認知症を理解する必要がある時代はすぐそこです。

歯科外来の患者さんの4割は65歳以上という数値も出ていますから、認知症の方と日々接している医師は歯科医なのかもしれません。

かかりつけ医だけではケアしきれない部分は他病院などと連携して、サポート体制を構築することでカバーできるでしょう。

セカンドオピニオン外来

セカンドオピニオンとは、例えばAという歯科医院を受診し「この歯は抜く必要があります」としう治療の方向性を説明された人が、他のBという歯科医院で「どうにか歯を残せないか」と相談することです。

このようなセカンドオピニオンに特化した外来を設けている歯科医院がいくつかあります。「今、受けている治療以外に選択肢は無いか」「治療が痛い」「なかなか完治しない」といった相談などがこれまで実際に散見されました。

しかし近年ではインフォームドコンセントの考え方が浸透してきた事により、治療への説明・情報公開が進んでいます。さらに歯科で行われるセカンドオピニオンの考え方を導入し診察する「セカンドオピニオン外来」等という部門を設けている病院もあります。日本人は最初に診察を受けた主治医に対して「信用していないと思われないか」と罪悪感を感じてしまう人が多いようです。

実際にも、セカンドオピニオン外来を訪れた患者さんで主治医に内緒で来ているという方も大勢おられます。

しかしながら、むしろ「セカンドオピニオンを受けるので紹介状をいただけますか」と主治医に申し出るくらいが望ましいのではないかと思うのです。そういう環境になっていくべきでしょう。「私が信用できないのか」などと怒ったり態度が悪くなるような歯科医師の治療は本当に信用できないと思うのです。

また、あえて言えば歯科治療にはインプラントや歯周病・補綴・咬合・矯正など専門分野は様々あります。そしてその専門的な知識や経験があり、口腔内全体をどのように健康にしていくのか、包括的な歯科治療を行えるだけの実力を兼ね備えた歯科医師はそう多くは無いのが実情でしょう。

セカンドオピニオン外来を受診する事は、今かかっている先生の治療法が悪いという事では決してありません。他にこういう治療の方法もあります、というお話しになる事も多いものです。

でも、それを知っておくか否かでは患者さんのお気持ちは大きく違ってくると思います。治療を始める前に複数の歯科医師の意見を聞く事で、患者さん自らの病気に対する理解も深まり、より安心して治療に臨む為の参考になると思います。

ですので、どうぞ罪悪感などは気にせず受診しましょう。